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SAP ERP 6.0 EHP4 on Oracle RAC ⑭ [SAP]

SAP ERP 6.0 EHP4 on Oracle RAC です。
前回で SAPの Database Instance のインストールが終わりました。
Oracle RAC がインストールされ、SAP のデータベースのインポートされています。
今回は SAP の Database Instance の後処理をします。
61m.jpg
・Database Istance インストール後処理続き
SAPとしてのDatabase Istance インストール後処理です。
[初期化パラメータファイル調整]
sapinst でinit<SID>.ora/spfile<SID>.ora の初期化パラメータはある程度は推奨設定にしてくれますが、最新の情報ではないので Oracle11gの場合、ノート1431798を参考にしたり、ノート1171650にあるチェックツールでチェックします。
ノート1171650 によるチェックはわりと有用です。
添付しているSQLを実行する事でバラメータの不足がチェック出来ます。
11g の場合は parameter_check_112.txt をダウンロードして、出力フォーマットと spool で結果を出力させる所を追加して、Oracleで実行します。

txtの頭に以下を追加します。
-----------------------------------
set linesize 360
set pagesize 1000
COLUMN name FORMAT a40
COLUMN set FORMAT a8
COLUMN remark FORMAT a60
COLUMN recommendation FORMAT a120
COLUMN is_value FORMAT a50
COLUMN should_be_value FORMAT a50
spool /tmp/parameter_result.txt
-----------------------------------

BW等のOLAPシステムの場合は、'<OLAP System? [n]>'の箇所を'y'に変換します。

txtの最後に以下を追加します。
-----------------------------------
spool off
-----------------------------------

以下の様にファイルを指定して実行します。
sqlplus / as sysdba @parameter_check_112.txt

結果は以下の様に出力されます。
パラメータチェック結果m.jpg
RACなのでインスタンス毎にパラメータがチェックされます。
2ノードだと同じパラメータが2回チェックされます。

この結果のRECOMMENDATION列を見てパラメータの追加,変更,削除を行います。
add with value "****" → パラメータの追加
check if default value "****" is suitable → 値のチェック
delete → パラメータの削除

パラメータの設定は以下の様に sqlplus で行います。値が文字列の場合は""で囲みます。
alter system set "パラメータ"=値 scope=spfile sid='*';
パラメータの削除は以下になります。
alter system reset "パラメータ" scope=spfile sid='*';


[統計情報更新]
Oracleにより正確な検索コストを算出させるためにシステム統計,ディクショナリ統計を取得します。
統計情報の取得はSAPでは BR*TOOLS の brconnect を使用します。
UNIX/Linux版で一般的には oracle管理者 ora<sid> で BR*TOOLS を使いますが、RAC では oracle管理者 oracle は BR*TOOLS を使うための環境変数がセットされていないませんので、SAP管理者である <sid>adm ユーザで BR*TOOLS を使用します。
#システム統計
brconnect -u / -c -f stats -t system_stats
#ディクショナリ統計
brconnect -u / -c -f stats -t oradict_stats
#全テーブルの統計取得 最後の -p はパラレル数です。
brconnect -u / -c -f stats -t all -p 4

[Oracleメンテナンスジョブ停止]
ついでに、Oracleの持つ自動メンテナンスタスクは SAPの持つDBメンテナンスタスクと重複するので停止するのが望ましいそうです。
sqlplus で以下のSQLを実行して無効化します。
SQL> --無効化
SQL> execute DBMS_AUTO_TASK_ADMIN.DISABLE
SQL> --確認
SQL> SELECT WINDOW_NAME,
AUTOTASK_STATUS,
OPTIMIZER_STATS,
SEGMENT_ADVISOR,
SQL_TUNE_ADVISOR
FROM DBA_AUTOTASK_WINDOW_CLIENTS;

[BR*TOOLSの準備]
BR*TOOLS を使用するにはそのパラメータファイル init<SID>.sap を使用します。
RACの場合、このファイルは /oracle/<SID>/sapprof にあります。
ファイルの中身は基本的に RAC用に調整されてますが、一点以下のパラメータが設定されないので、追加します。
loc_ora_homes = yes

ちなみにASMデータファイルのバックアップは RMAN でしかバックアップが出来ないそうです。

その他、フォルダ /oracle/<SID>/sapprof には init<SID>.ora が無いと一部の BR*TOOLS の実行時にエラーとなります。
ノード1で sqlplus から /oracle/<SID>/sapprof にinit<SID>.ora を作成し、
SQL> create pfile='/oracle/<SID>/sapprof/init<SID001>.ora' from spfile;
ノード2へ 名前を変えてコピーします。
scp /oracle/<SID>/sapprof/init<SID001>.ora
<ノード2>:/oracle/<SID>/sapprof/init<SID002>.ora

その他、ノート1598594 ユーザ "oracle" での Oracle インストール: BR*Tools の設定 を参照すると良いと思います。

[サービス作成]
SCANによるDBへのアクセスのためのデータベースサービスの登録になります。
EZCONNECT で接続する時に使用します。
RACのノードが001~004で、SAPはセントラルインスタンスとAPサーバが3台あると想定すると以下の様になります。
-r は優先接続ノードで、-a はフェイルオーバー可能ノードです。
サービス名 <SID>_CI はセントラルインスタンス接続用サービスです。
サービス名 <SID>_AP01 はAPサーバ接続タイプ1のサービスです。

srvctl add service -d <SID> -s <SID>_CI -r <SID>001 -a <SID>002,<SID>003,<SID>004 -P BASIC -y AUTOMATIC -q true -j long -e SELECT -m BASIC -z 3 -w 5
srvctl add service -d <SID> -s <SID>_AP01 -r <SID>002 -a <SID>003,<SID>004,<SID>001 -P BASIC -y AUTOMATIC -q true -j long -e SELECT -m BASIC -z 3 -w 5
srvctl add service -d <SID> -s <SID>_AP02 -r <SID>003 -a <SID>004,<SID>002,<SID>001 -P BASIC -y AUTOMATIC -q true -j long -e SELECT -m BASIC -z 3 -w 5
srvctl add service -d <SID> -s <SID>_AP03 -r <SID>004 -a <SID>002,<SID>003,<SID>001 -P BASIC -y AUTOMATIC -q true -j long -e SELECT -m BASIC -z 3 -w 5

今回はRACノードは2つで、SAPはセントラルインスタンス1台なのでサービス名は E64_CI で、以下になります。
srvctl add service -d E64 -s E64_CI -r E64001 -a E64002 -P BASIC -y AUTOMATIC -q true -j long -e SELECT -m BASIC -z 3 -w 5

作成したサービスは以下のコマンドで確認出来ます。
srvctl config service -d <SID> -s <サービス名>
サービス確認.jpg
作成したサービスは開始させる必要があります。
srvctl start service -d <SID> -s <サービス名>
サービス開始.jpg

サービス名や優先順位は必ずそうする必要はなく、これは一例です。

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