SAP ERP 6.0 EHP4 on Oracle RAC ①

Oracle Database に乗る SAP なので、Oracle RAC ( Oracle Real Application Clusters )でもSAPをサポートしています。
Oracle 10g の RAC からサポートしていて、いくつかのホワイトペーパーや SAPノートが出ていまして、2013年までは、非RAC環境でインストールしたSAPをRAC化する形でのインストールしかサポートしていなかった様ですが、最近は SWPM を使ったRACでの新規インストールやシステムコピーをサポートし始めた様です。(SAPノート1977393)
しかし…全然わかりません。ホワイトペーパーは前述の通り新規インストールとは異なり、インストールガイドにもまだ詳細は載っていない状態です。
そもそも、RAC が解かっていないのでどんな構成にしたら良いのか、操作はどうなるのか全く不明です。
幸いにして、RAC という事ではネットで検索すればそれなりに 実践して手順や説明、紹介されているサイトがあるので、それらを参考に構築してみました。
ちなみに私は Oracle RAC 初心者です。



まずはクラスタという事で、最低2台のサーバと共有ディスクが必要になります。
共有ディスクは安価にソフトウェアiSCSIで用意する事にします。
今回はSUSE11のソフトウェアiSCSI Target にしました。

共有するディスクは クラスタの Voting ディスク(+OCR)とデータ(+DATA)とREDOログ(+RECO)とオフラインアーカイブ(+ARCH)の4つを用意します。
さらに、SAPのASCSをクラスタに組み込む場合はそれ用の共有ディスクが2つ必要になります。

Oracle のデータベースサーバーは Red Hat Enterprise Linux Server 6.5 を用意しました。

クラスタ用に用意するディスクのパーティションをRAWデバイスとして構築するので、その方法が SLES11 ではNGでした。
クラスタなので最低2台必要になります。
ネットワークアダプタはパブリック用とプライベート用の最低2つ必要で、今回は共有ディスクにiSCSIを使用するので、iSCSI用にもう1セットの計3セット用意します。
IPアドレスはアダプタの数(2+1)とDBノード用に仮想IPを1つでサーバ毎に4つとOracleクライアントアクセスのSCAN Litener(Single Client Access Name Listener)用に推奨で3つのアドレスが必要になります。
さらに、SAPのASCSをクラスタに組み込む場合はそれ用の仮想IPが1つ必要になります。

iSCSI Target サーバ iSCSIネットワーク用IP
管理用パブリックネットワークIP
DBノード1 iSCSIネットワーク用IP
パブリックネットワークIP
プライベートネットワークIP
仮想DBノードIP
DBノード2 iSCSIネットワーク用IP
パブリックネットワークIP
プライベートネットワークIP
仮想DBノードIP
SCAN Listener DB接続用仮想IP1
DB接続用仮想IP2
DB接続用仮想IP3
SAP ASCS用仮想IP

また、 SCAN Listener 用に DNSが必要になります。
これは、ActiveDirectory で使用している DNS を流用しようと思います。

そして、SAPのセントラルインスタンスは、今回は諸事情により WindowsServer にて構築します。
SCAN Listenerでの接続でDNSを使用する関係上、パブリックネットワークとDB接続用プライベートネットワークに分けません。


今回のサーバは Hyper-V の仮想サーバ群で構築します。
atlas DBノード1
daphnis DBノード2
mimas このサーバは今回は関係ない
pan iSCSI Target
pandora SAPセントラルインスタンス

この他にDNSサーバがあります。

今現在は環境が出来上がってますが、一度解体して次回から再度構築していく予定です。
不定期ですが…